2020/08/26

敷金礼金の相場|初期費用を低く抑えて家を借りる方法も紹介

敷金礼金の相場|初期費用を低く抑えて家を借りる方法も紹介

 

敷金礼金の相場|初期費用を低く抑えて家を借りる方法も紹介

一般的な賃貸物件と契約を交わす際は、ほとんどの場合で「敷金」と「礼金」が必要となります。
しかし、半ば慣習に則ったまま漠然と金額が設定されている物件も多いため、なぜ必要なのか、何に使われるのかが良く分からないことも少なくありません。

そこで今回は、敷金礼金の基本的な知識と、地域別にかかる費用の平均相場や徴収率の傾向・原因について詳しく解説します。
家を借りる際に敷金礼金以外で必要となる、さまざまな初期費用の相場についても解説するため、興味のある方は参考にしてください。

1.敷金礼金とは

「敷金」「礼金」とは、どちらも新規に賃貸契約を結んだ際に、大家に対して支払われる初期費用のことです。
ほとんどの場合で、不動産会社などを経由して支払いが行われます。

〇「敷金」とは

「敷金」は、長い間慣習として続いており、ハウスクリーニング代金をはじめとした、さまざまな用途で差し引かれることが常態化していました。
しかし、2017年に可決・成立した民法改正案によって、敷金の定義と原状回復のルールも明確にされています。

改正後の民放による敷金の定義と原状回復のルールは、下記の通りです。

第六百二十二条の二

賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。

2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。

引用:電子政府の総合窓口「第四款 敷金 第六百二十二条の二」

敷金とは、家賃の担保として事前に預けておく保証金のようなもので、借主が家賃を滞納した場合に、支払い済みの敷金から滞納分の金額を補填できることになっています。
一度も家賃滞納せずに退居日を迎えた場合は、敷金は全額返還が基本です。

また、これまで敷金返還トラブルの大きな理由となっていた原状回復に関しても、明確なルールが定められました。

第六百二十一条

賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

引用:電子政府の総合窓口「第六百二十一条(賃借人の原状回復義務)」

改正後の民放において、原状回復費用とは「借主が部屋を借りた後に付いた傷のうち、通常損耗や経年劣化に当たらない傷のみに適用される」と定義されました。
つまり、ペットやタバコによる傷や汚れなどは敷金から差し引かれますが、鍵の交換費用や家具による床の凹み、電気ヤケや日焼けなどの修繕費用は借主側の負担義務がありません。

〇「礼金」とは

2020年6月時点では、「礼金」について法律上で明確な定義が存在していません。
慣習として行われている礼金は、大家へのお礼の気持ちを表したものです。
もともとは、親元を離れ都会で一人暮らしを始める子どもを心配した親族が、何かと気にかけてもらえるよう、大家に対して迷惑料代わりに包んだお金だとされています。

そのため敷金とは異なり、礼金は退居時にも返金されません。

2.【地域別】敷金礼金の相場

下記のグラフは、国土交通省が首都圏・中京圏・近畿圏の賃借人に対して令和元年度に行った、敷金礼金の相場価格調査の結果です。

令和元年度 敷金(保証金)の相場
令和元年度 礼金の相場

出典:国土交通省住宅局「令和元年度 住宅市場動向調査報告書」

敷金礼金ともに、全国において「1ヶ月・2ヶ月ちょうど」が多い傾向にあることがわかります。
特に多かった「1ヶ月・2ヶ月ちょうど」のデータのみ、三大都市圏を合計して下記の表にまとめました。

三大都市圏における敷金礼金の相場の割合
月相場 敷金 礼金
1ヶ月ちょうど 55.4% 71.7%
2ヶ月ちょうど 29.2% 13.1%

このように数字データで見ると、「1ヶ月ちょうど」は敷金礼金どちらも半数を超えていることがわかります。

また、首都圏は敷金・礼金どちらも2ヶ月ちょうどを境に、パーセンテージが急激に下がっています。
一方で、近畿圏・中京圏は敷金・礼金どちらも、3ヶ月越えの金額を支払ったケースも目立ちます。

近畿圏・中京圏で特に敷金の相場が高額に設定されている原因には、入居時に敷金礼金を合わせて支払う「補償金」と、退居時の「敷引き」という制度が考えられます。
一部では、入居時に補償金を支払い、退居時の原状回復費用とは別に、一定の金額を敷引きとして差し引いて返却される地域慣行があります。
つまり、入居時に礼金を支払わない代わりに、退居時に返却される補償金の減額が確定するということです。

地域により、敷金礼金の在り方には差があります。
物件選びの際には、敷金礼金の総額だけではなく、地域の慣習も参考にしましょう。

3.敷金礼金以外に家を借りるために必要な初期費用の相場

賃貸契約を結ぶ際、敷金礼金以外に必要となる一般的な初期費用の相場は、下記の通りです。

項目 費用相場
仲介手数料 家賃約0.5~1ヶ月分
法律によって、家賃の1ヶ月分が上限に定められています。
物件の案内や契約手続きを行った仲介会社に支払うことが一般的です。
前家賃 家賃約1ヶ月分
入居が決定している月の家賃を前払いします。
1月に契約した場合であっても、実際に住み始める予定が2月からであれば、2月分の家賃を支払う形です。
日割り家賃 入居日による(家賃÷入居月の日数×入居日数)
月の途中から入居する場合、入居日から月末までの家賃を支払います。
また、退居する場合も同様に月初めから退居日までの家賃支払いが必要です。
管理費・共益費 家賃1ヶ月分の5~10%
アパートやマンションの共有スペースや建物の維持・修繕費に当てられます。
管理費・共益費の呼称に明確な差はありません。
賃貸保証料 家賃の0.5~1ヶ月分(物件による)
連帯保証人が立てられない場合や保証人不要とされる物件で、家賃保証会社と契約する費用です。
一般的に、2年単位で更新されます。
鍵交換費用 7,000~18,000円程度(オートロックの場合20,000~30,000円)
鍵の形やメーカー、施工業者によって金額が異なります。
鍵の交換は任意ですが、防犯のことも考えて入居時に交換することが一般的です。
火災保険料 20,000円
損害保険の一種で、火事や水回りのトラブルに対応しています。
賃貸契約と同時に加入し、契約の更新も同時に行われることが一般的です。
消毒料 10,000~20,000円
入居前の部屋に消毒液を散布します。
害虫や雑菌駆除に効果が期待できますが、部屋の汚れが消えるわけではありません。

上記以外にも、引越し料金や家具家電を揃える費用が必要です。
また地域によっては、近隣住民へ挨拶する際の手土産代や、自治会への加入費などが必要となることもあります。

4.敷金礼金なしで家を借りるならマンスリーマンションがおすすめ

マンスリーマンションとは、定期借家契約方式を取っている賃貸マンション類の総称です。
1ヶ月以上であれば物件を借りることが可能で、特に1年未満の短期滞在者におすすめされる住居となっています。

下記のような利用方法で住まいを求めているという方は、マンスリーマンションがおすすめです。

  • 長期出張による一時的な住居用
  • 通院・介護などによって必要となる一時滞在先の確保
  • 転居先を下見する際の滞在場所
  • 自宅を建て替えている間の仮住居用
  • 短期間で何度も転居することがわかっている場合
  • 長期観光旅行中の滞在場所
  • 一時帰国中の住居用

アットインが提供しているマンスリーマンションサービスであれば、敷金礼金が必要ありません。さらに、水道光熱費も賃料に含まれています。
住む期間の賃料のみ一括前払いとなるものの、あらかじめハウスクリーニング費用が含まれているケースも多いため、退去時に追加費用を払う必要もありません。

また、エアコンやベッドなどの家具・家電や日用品があらかじめ設置されているため、すぐに入居することが可能です。

賃貸物件を借りる際に、敷金礼金などの初期費用負担を減らしたいのであれば、アットインのマンスリーマンションをぜひ利用してみてください。

まとめ

敷金は部屋の使用状況が良好であれば原則として返金されますが、礼金が戻ってくることはありません。
必要な金額は地域によって異なりますが、敷金礼金合わせて2~5ヶ月程度が必要となり、初期費用として非常に大きな出費です。

アットインが提供しているマンスリーマンションは、敷金礼金が必要ないほか、家具家電や日用品も部屋に備え付けられています。
少しでも居住費用を抑えたい方は、ぜひマンスリーマンションの利用を検討してみてはいかがでしょうか。