2024/10/31
家庭内別居とは?メリット・デメリット、家庭内別居において気をつけるべきこと、すべきことを徹底解説!
「パートナーとの関係に悩んでいる」「離婚を考えているけど踏み切れない」。そのような方は、「家庭内別居」という言葉を耳にする機会も多いのではないでしょうか。家庭内別居とは、夫婦が同じ家に住みながら生活を別にすることです。家庭内別居は、関係を見直す解決策の一つとなる可能性があります。
とはいえ、家庭内別居の概要が分からなければ選ぶのに不安を感じるもの。そこで本記事では、家庭内別居の定義、メリット・デメリット、気をつけるべきことを徹底解説します。これらを把握すれば今後の関係性を考えるきっかけになり、最適な選択ができるはず。ぜひ参考にしてください。
Contents
家庭内別居とはどんな状態?
家庭内別居とは婚姻関係を維持したまま同じ家に住みつつ、別々の生活を送ることを指します。つまり、同じ屋根の下に暮していても寝室やリビングなどの生活空間は分かれ、食事や家事も別々。夫婦としての共同生活を送っていない状態です。
ちなみに、法律上は「家庭内別居」の定義はありません。夫婦の関係性や理由、目的に応じて形は異なり、生活の中身もさまざまです。
以下は家庭内別居を選ぶ理由の一例です。
・離婚するほどでもないけどパートナーとは一緒にいたくない
・子どもの学校や経済的な理由により別居や離婚に踏み切れない
・世間体が気になる
関連記事:別居したいけど少し不安。別居のメリット・デメリットや気をつけるポイントを徹底解説
仮面夫婦との違い
仮面夫婦とは表向きは夫婦生活を装っているものの、実際は夫婦としての関係性が薄れている状態です。家庭内別居とは違う点は、同じ寝室で寝たり食事を共にしたりすること。ただし、夫婦の絆は薄く、周囲の目を気にして形だけの夫婦関係が続いているといえるでしょう。
完全別居との違い
完全別居とは、夫婦が別々の住居で生活を送ることを指します。物理的な距離を置くため、完全に生活が切り離された状態です。また、完全別居は家庭内別居よりも離婚へのステップにつながりやすい側面もあります。
家庭内別居するメリット
家庭内別居は、一見ネガティブな選択肢に思える方もいるでしょう。しかし、経済面や精神面への利点があり、完全別居に比べてハードルは低い傾向です。ここからは、家庭内別居する4つのメリットを解説します。
経済的な負担をおさえられる
家庭内別居は完全別居と比べて、家賃や光熱費などの生活コストを二重に負担する必要がありません。そのため、子育て中の家庭や住宅ローンの返済が残っている場合は経済的な負担をおさえられます。金銭面の負担をおさえられると将来の選択肢を広げる余裕にもつながります。
世間体を守れる
家庭内別居は、他者からは通常の夫婦生活と変わらないように見えるため、世間体を維持できます。例えば、職場や家族、親戚への説明を避けたい場合には効果的。また、離婚や完全別居に比べて、子どもの学校生活や友人関係への影響もおさえられます。「外部から見えにくい別居」なので周囲からのプレッシャーや不要な干渉を避けられ、自分たちのペースで問題解決に取り組めると思います。
子どもとの関わりを維持できる
離婚や完全別居は子どもとの接点が減ってしまうもの。しかし、家庭内別居であれば子どもとの関わりを維持できます。また、両親は物理的に同じ家に住み続けているため、子どもにとっても日常生活の変化を最小限におさえられるのです。パートナーと協力して子育てを続けられれば、安定した環境で子どもの成長をサポートできます。子どもの健全な成長にとって重要であり、将来的な家族関係の維持にもよい影響を与えるでしょう。
パートナーとの関係を改善できる可能性がある
家庭内別居はパートナーとの関係を見つめ直し、改善するチャンスになります。物理的な距離とはいえ同じ家に住んでいるため、互いの存在を客観的に見つめ直す時間が持てるからです。また、日常的な摩擦が減って冷静に関係性を分析でき、コミュニケーションを取り直すきっかけにもなるでしょう。家庭内別居を機に、お互いの価値観や生活スタイルを尊重し合う新たな関係性を築けるかもしれません。
家庭内別居のデメリット
家庭内別居にはメリットがある一方、デメリットは4点あります。以下で詳しく解説していきましょう。
顔を合わせなくてもストレスはたまる
家庭内別居はパートナーとの直接的な接触は減るとはいえ、同じ家に住み続けるため相手を完全に避けられません。例えば、コミュニケーションが悪化している関係性だと相手の些細な行動にイライラしてストレスがたまることも。また、生活音や存在感は常に意識せざるを得ない状態なので、精神的な疲労につながる恐れもあります。
子どもに悪影響を及ぼす可能性がある
家庭内別居は子どもへの影響を最小限におさえられる一方で、子どもの性質によっては悪影響になる恐れもあります。特に物事の変化に敏感な子どもは、両親が同じ家にいながら別々の生活を送る様子を目の当たりにするため、親の関係性を察知します。言い争いや冷え切った雰囲気を感じて混乱したり不安を抱えたりする恐れもあるでしょう。家庭内別居が長期化すると、子どもの心理的負担は大きくなるかもしれません。
夫婦関係の修復が難しい場合もある
家庭内別居は夫婦関係を見直すきっかけになりますが、根本的な問題の解決にならないこともあります。例えば、コミュニケーション不足や価値観の相違が家庭内別居の理由である場合、対話や問題解決への取り組みを避けてしまう可能性があるからです。関係悪化につながった原因に双方が向き合わなければ、関係修復は困難になり、夫婦の溝がさらに深まってしまう恐れもあるでしょう。
離婚理由としては弱い
家庭内別居の状態は法的に通常の婚姻関係と変わらないため、離婚理由として弱いとされます。というのも、離婚裁判の場合、裁判所は夫婦関係の破綻を認めるために一定の別居期間を重視する場合があります。しかし、家庭内別居は生活費や日常生活は別でも同じ家に住み続けているため、完全な別居とはみなされにくいのです。将来的に離婚を視野に入れている場合は、完全別居を選ぶ方がよいかもしれません。
関連記事:離婚するのに別居は必要?別居の重要性や別居前にすべきことを徹底解説
家庭内別居において気をつけるべきポイント
家庭内別居を選択する際は、子どもへの配慮や自分の行動に注意しなければいけません。ここからは以下3つのポイントを詳しく解説します。事前に知っていれば後のトラブルを防げるため理解しておきましょう。
子どもの心情には十分配慮する
両親の関係の変化は、子どもの心理や行動に大きな影響を与える可能性があります。子どもに混乱を与えないためには、できるだけ普段通りの生活リズムを維持するのが肝心です。以下は、子どもに配慮すべき点の一例です。
・子どもの年齢や性格に応じて丁寧に状況を説明する
・家庭内別居の理由や、今後の生活の変化を伝える
・子どもの気持ちに寄り添い、不安や寂しさを受け止める
・子どもに対する愛情は変わらないことを繰り返し伝える
・夫婦の問題であり、子どもの存在が原因でないことを説明する
家庭内別居中の浮気や不倫の場合は、慰謝料の請求が難しい
一般的に、婚姻関係にある夫婦なら配偶者の不貞行為に対して慰謝料の請求は可能です。しかし、家庭内別居状態は夫婦間の精神的な結びつきが薄く、既に破綻している状態とも判断される場合があります。そのため、不貞行為に対する慰謝料の請求は認められないか、少額になる恐れもあるのです。
慰謝料の請求は、夫婦関係が破綻していれば請求は困難であり、破綻していなければ請求できるもの。家庭内別居中の状態は破綻の基準があいまいなため、パートナーの不貞行為の事実があっても不利な立場になる可能性があります。
家庭内別居を勝手に進めないようにする
家庭内別居をはじめるにあたって、パートナーの同意は必須です。一方的に家庭内別居を進めたり勝手にルールを決めたりすれば、パートナーとの関係悪化だけではなく、法的に不利な立場になる可能性もあります。家庭内別居を進めたいなら必ずパートナーと十分に話し合いましょう。詳しい決めごとに関しては、以下を読み進めてください。
家庭内別居するなら決めておきたい3つのルール
家庭内別居をはじめる際、生活するために明確なルールを決めておくことが不可欠です。ここからは「日常生活」「生活費」「家庭内別居の期間」の3つの側面から決めるべきルールを解説します。また、決定事項は可能な限り書面化するのがおすすめ。家庭内別居中のトラブルを防げて、夫婦関係を見つめ直せるでしょう。
関連記事:別居前や別居中にしてはいけないことは何?基礎知識・準備すべきことを徹底解説
日常生活のルール
日常生活のルールを決めておけば互いにとって快適な空間を維持でき、ストレスを軽減できます。以下は決めておきたい事項の一例です。
・寝室や居住スペースの使い分けを明確にする
・リビングやキッチンの使用ルール・時間を決める
・掃除や洗濯などの家事分担を具体的に決める
・子どもの送迎のルール、子どもとの時間のとり方、教育方針などを話し合う
生活費のルール
家庭内別居中の生活費は、将来的なトラブルを避けるためにも明確に決めましょう。例えば、以下3点に軸を置いて話し合う必要があります。
【食費や日用品などの変動する共通経費】
完全に別会計にするか、共通の生活費を設けるかなど、お互いの生活スタイルに合わせて決めましょう。この時、口座の管理方法に関する取り決めもしておけば、トラブルを防げます。
【家賃や住宅ローンなどの固定費】
収入に応じた割合で分担するか折半にするかなど、公平性を考慮して決めましょう。
【子どもの教育費や医療費】
特別な出費が発生した場合、どの口座から使うかを明確にしておきましょう。この時、世帯の資産や個人の貯金額なども互いに提示することで金銭トラブルが防げます。
家庭内別居の期間
家庭内別居期間を事前に決めればダラダラ家庭内別居を続けるのを防げて、今後の夫婦関係の方向性を決める目標になります。期間は夫婦の状況によって異なりますが、1〜6ヵ月が一般的。長すぎると関係修復が難しくなる場合もあります。ただし、状況に応じて柔軟に調整できるようにすることも大切です。
家庭内別居は今後の関係を見つめる一歩!厳しければ完全別居も視野に入れよう
家庭内別居は、夫婦関係を見直すきっかけになります。婚姻関係は続いており、ルールを決めれば経済的な不安や子どもの心情に負担をかけずに生活を維持できます。しかし、デメリットもあるため夫婦の状況によっては完全別居を視野に入れることも必要です。
その場合、別居先の選択肢としてはマンスリーマンションがおすすめ。マンスリーマンションは、家具や家電が揃っており、すぐに生活を始められる利便性があります。また、契約期間が柔軟であり1ヶ月から長期間まで対応可能。
状況の変化に応じて調整しやすいのが特徴です。完全別居は、夫婦関係の修復が難しいと判断したときの選択肢の一つであり、新しい人生をスタートできる可能性も秘めています。夫婦関係の状態を見極めながら、柔軟に対応しましょう。