2025/09/01

家族訪問ビザで日本に滞在するには?必要な書類や手続き、宿泊先のポイントを徹底解説

家族訪問ビザで日本に滞在するには?必要な書類や手続き、宿泊先のポイントを徹底解説

「何が必要でどのように手続きすればいいのか分からない」。海外に住む家族を日本に招待したくても、このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

家族訪問ビザ(短期滞在ビザ)は、配偶者や親、子どもなど親族が日本を訪問する際に必要な査証です。申請には招へい理由書や身元保証書など多くの書類が必要で、準備不足により却下されるケースも少なくありません。

本記事では、家族訪問ビザの基本情報や必要書類、申請手続きの流れを分かりやすく解説します。さらに、滞在期間に応じた最適な宿泊先の選び方もご紹介。大切な家族との時間を有意義なものにするためにも、ぜひ参考にしてください。

家族訪問ビザとは?対象者と取得できる条件

家族訪問ビザは、正式には「短期滞在ビザ」と呼ばれ、海外在住の家族が日本にいる親族を訪問するための査証です。滞在期間は15日・30日・90日の3種類から選択でき、申請には日本側の招へい人と海外側の申請人、双方の協力が必要となります。以下では、日本に招待できる家族の範囲や他のビザとの違いを解説しましょう。

招へいできる条件・家族の範囲

招へい人となる日本側の親族は、日本国籍を有する者、または日本に在留する外国人(留学生や技能実習生など一部の在留資格を除く)でなければいけません。

一方、家族訪問ビザで日本に招けるのは、基本的に「三親等以内の親族」です。具体的には、両親・子ども・兄弟姉妹・祖父母・孫・叔父叔母・甥姪などが対象に含まれます。ただし、配偶者や婚姻関係にある人は親族として認められる一方で、恋人や内縁関係のみのパートナーは対象外です。重要なのは、親族関係を証明する書類(戸籍謄本・出生証明書・婚姻証明書など)を提出できること。これらを事前に用意しておけば、親族とみなされます。

観光ビザとの違い

家族訪問ビザは短期滞在ビザの一種ですが、申請目的や必要書類に大きな違いがあります。観光ビザは主に観光目的で来日する際に取得するもので、日本側の身元保証人や招へい人は不要です。一方、家族訪問ビザは親族訪問が主目的であり、日本にいる親族が招へい人となって招へい理由書や身元保証書を提出する必要があります。したがって、単なる旅行ではなく、家族との交流を目的とする滞在で利用されるのが家族訪問ビザなのです。

日本滞在中にできること・できないこと

家族訪問ビザは短期滞在用であり、活動範囲には制限があります。

【できること】

  • ・親族の家を訪問して、一緒に過ごす
  • ・日本国内の観光地をめぐる
  • ・親族の見舞いや出産の立ち会い
  • ・冠婚葬祭(結婚式、葬儀、法事など)へ参加する

【できないこと】

  • ・就労活動(アルバイト、パートを含む)
  • ・報酬を伴う活動(講演料、出演料の受け取りなど)
  • ・90日を超える滞在
  • ・短期滞在ビザから他の在留資格(就労ビザや配偶者ビザなど)への変更

家族訪問ビザの申請に必要な書類と手続きの流れ

家族訪問ビザを取得するには、日本側と海外側それぞれが必要書類を準備し、決められた流れで申請を進めなければいけません。ここからは、具体的な必要書類と申請手続きの流れを詳しく解説しましょう。

招へいする人(日本側)が準備する必要な書類

招へいする人が準備する書類は主に以下9点で、これらは身分保証や経済力を証明するものとして判断される書類です。

  • ・招へい理由書:日本に招待する理由を記載する
  • ・滞在予定表:いつ・どこで・何をするか明記する
  • ・身元保証書:滞在中の責任を負う旨の誓約
  • ・住民票
  • ・在職証明書
  • ・直近1年分の課税証明書または納税証明書
  • ・預金残高証明書(場合によっては)
  • ・戸籍謄本
  • ・出生証明書

申請する人(海外側)が準備する必要な書類

海外に住む家族が日本の在外公館で申請する際には、本人確認や親族関係を証明するための書類が必要です。

  • ・パスポート:残存有効期間が出国予定日まで有効なもの
  • ・査証申請書
  • ・写真:6か月以内に撮影した4.5×4.5cmのもの
  • ・在職証明書または在学証明書
  • ・銀行残高証明書や収入証明書(場合によっては)

必要な書類は、国・地域・申請人の状況により追加書類が必要となる場合があります。事前に管轄の日本領事館で確認しましょう。

家族訪問ビザの手続きの流れ

1.日本側での書類を準備する

市役所での住民票取得、勤務先での在職証明書発行、税務署での納税証明書取得など、複数の機関での手続きが必要なため余裕を持って準備を始めましょう。

2.海外側で申請書類を揃えて提出する

旅券や申請書、親族関係を証明する書類を在外公館へ提出します。

3.審査を受けて結果を確認する

通常1〜2週間で結果が通知され、許可されればパスポートにビザが貼付されます。申請が集中する時期(年末年始やゴールデンウィーク前など)は時間がかかる傾向です。

4.日本に入国し滞在を開始する

入国審査を通過し、許可された滞在期間(15日・30日・90日)を過ごせます。査証の有効期限内に日本へ入国しましょう。入国時には査証と共に、招へい理由書や滞在予定表のコピーを携帯するのがおすすめです。

家族訪問ビザ申請時と滞在時の注意点

家族訪問ビザは、書類の不備や記載ミスがあると却下や入国トラブルの原因になります。ここでは申請時と滞在時に注意すべき具体的なポイントを解説しましょう。

必要書類の有効期限を確認する

申請に使用する各種証明書には有効期限があります。住民票・戸籍謄本・納税証明書・課税証明書などの公的書類は、発行日から3ヵ月以内でなければいけません。また、銀行残高証明書は、申請直前(1ヵ月以内)が望ましく、古い日付では現在の経済状況を証明できないと判断される可能性があります。

さらに、パスポートは入国予定日まで有効であることはもちろん、査証シール貼付用の空白ページが2ページ以上必要です。書類の準備は時間がかかるため、有効期限を逆算して計画的に取得しましょう。

招へい理由書と滞在予定表を正しく記載する

招へい理由書は、訪問の目的が家族との交流であることを具体的に記載しなければいけません。単に「会いたいから」という抽象的な理由ではなく、「母の70歳の誕生日祝い」「子どもの入学式への参加」など、具体的な目的を明記しましょう。

また、滞在予定表は、滞在期間中の行動を日ごとに示す必要があります。両書類の内容に矛盾があると虚偽申請を疑われる原因になる恐れも。招へい理由と予定表の整合性を意識して、信頼性の高い申請を心がけましょう。

偽りの申請内容を避ける

ビザ審査では、申請書や提出資料に虚偽の内容が含まれていないか厳しく確認されます。よくある虚偽申請には、友人を親族と偽ったり、就労目的を親族訪問と偽ったりするケースなどがあります。虚偽申請すると申請却下だけでなく、将来的なビザ取得にも不利になる恐れも。さらに、虚偽申請が発覚した場合は入国禁止処分となることもあるのです。事実と異なる内容を記載することは避け、正確な情報のみを記載しましょう。

滞在期間の延長条件を理解する

家族訪問ビザの滞在期間延長は原則として認められていませんが、人道上の理由がある場合に限り特例として許可される可能性があります。延長が認められるケースとして、「招へい人や申請人の急病による治療継続」「天災による交通機関の麻痺」「航空会社のストライキ」など、本人の責任によらない特別な事情が挙げられます。ただし、延長が認められるのは例外的。最初から長めの滞在を希望する場合は90日のビザを選択して申請すれば、安心材料となります。

宿泊先の契約条件とルールを確認する

家族訪問での宿泊先選びは、快適な滞在を左右する重要な要素。親族の家に滞在する場合でも、事前に家族全員の了承を得て、生活ルールを確認しておけばトラブルを防げます。

一方、ホテルや民泊、マンスリーマンションを利用する場合は、外国人の宿泊に必要な手続き(パスポートの提示、宿泊者名簿への記載)があることを理解しておきましょう。契約時には、キャンセルポリシー・追加料金の有無・チェックイン・チェックアウトの時間も必ず確認しておくと安心です。

家族訪問ビザでの滞在期間に応じた宿泊先の選び方

家族訪問ビザでの滞在期間は15日・30日・90日から選択できますが、期間に応じて選ぶことが快適な日本の滞在につながります。コスト面だけでなく、生活の利便性や家族との時間の過ごし方も考慮して選ぶのが大切。以下で滞在日数ごとに最適な宿泊先の選択肢を解説しましょう。

短期滞在(数日~1週間)の場合

数日から1週間程度の短期滞在であれば、ホテルや旅館の利用が一般的です。清掃サービスやアメニティが充実しており、観光地へのアクセスも良好な立地が多いため、親族訪問と観光を組み合わせた滞在に適しています。ただし、家族数人での滞在となると複数部屋が必要となり、1泊あたり2〜3万円以上の費用がかかることも。また、外食中心の生活となるため食費も別途必要です。

中期滞在(2週間~1ヵ月)の場合

2週間以上の滞在になると、ホテル利用では費用負担が大きくなります。この期間の利用でおすすめなのが、ウィークリーマンションや民泊です。キッチンや洗濯機が備わっている物件を選べば自炊により食費をおさえられ、生活リズムも整えやすくなります。

しかし、民泊は比較的安価ですが、物件によって設備やサービスのばらつきがあり、トラブル時の対応が不安な面もあります。ホームページや口コミを確認して判断しましょう。

長期滞在の場合(1ヵ月以上)の場合

1ヵ月以上の長期滞在では、マンスリーマンションが最も経済的で快適な選択肢です。家具・家電付きで、調理器具・食器・寝具まで揃っているためスーツケース一つで入居可能。ホテルに1ヵ月滞在すると30万円以上かかることも珍しくありませんが、マンスリーマンションなら月額10〜15万円程度で済みます。親族の家を頻繁に訪問しながらも独立した生活空間を持てるため、長期滞在でもお互いに気を遣うことなく良好な関係を保てるのも魅力。実際に、一時帰国の滞在先としてもマンスリーマンションは選ばれています。

参考記事:一時帰国はマンスリーマンションがおすすめ?費用相場や注意点を解説

家族訪問ビザ取得と滞在先を確保して、快適な日本での滞在を!

家族訪問ビザの取得は必要書類の準備から申請まで1ヵ月程度かかるため、計画的な準備が成功の鍵となります。招へい理由書や身元保証書などの書類は正確に記載し、有効期限にも注意を払いましょう。

同時に、忘れてはいけないのが滞在先を早めに確保すること。特に桜の季節や年末年始などの繁忙期は、宿泊施設の予約が困難になります。1ヵ月以上の滞在を予定している場合は、コスト面と生活の快適性で優れているマンスリーマンションをご検討くださいね。

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