2025/08/01

水害・災害時の一時住まいに、マンスリーマンションという新たな選択肢を!

水害・災害時の一時住まいに、マンスリーマンションという新たな選択肢を!

もし今、自宅が水害で住めなくなったら、あなたはどこに避難しますか?

近年、集中豪雨や大型台風など、これまでの想定を超える自然災害が日本各地で頻発しています。突然の浸水や土砂災害により自宅が被災すると復旧までに数週間から数ヵ月かかることもあり、決して他人事ではない問題です。

避難所・ホテル・親戚の家など、避難先の選択肢は多様にあります。しかし、プライバシーの確保や費用面、精神的なストレスなど、それぞれに課題があるのも現状です。

そのような中、新たな選択肢として注目されているのがマンスリーマンションです。家具家電が揃っていてすぐに日常生活をはじめられる。必要な期間だけ借りられる柔軟性。プライベートな空間を確保できる安心感もある。災害時の一時的な住まいとして、マンスリーマンションの可能性はまだ多くの方に知られていません。

このコラムでは、災害時における一時的な避難先の特徴と課題を解説し、それをふまえてマンスリーマンションが頼れる避難先として注目される理由をご紹介します。災害への備えは、防災グッズだけではありません。いざという時の住まいの選択肢を知っておくことも防災対策の一つです。

水害・災害時と住まいの問題

災害が起こったとき、まず命を守ることが最優先。しかし、その後すぐに直面するのが「どこで暮らすか」という現実です。特に水害では、建物が無事でも床上・床下浸水により自宅に住み続けられなくなるケースが多く見られます。

国土交通省の調査によれば、令和4年だけでも全国で約1万1,000戸の住宅が浸水などの被害を受けました。また、内閣府の報告では、平成24年から令和3年までの10年間に水害が発生した市町村は全国の98%以上にのぼり、被災は決して一部地域の話ではありません。想定外の水害は大きな災害に限らず、突然のゲリラ豪雨でも起こり得るのです。

参照:市町村のための水害対応の手引き - 内閣府(防災担当)

実際に、近年都内で発生した短期間の集中豪雨により、賃貸マンション1階の部屋は玄関から水が流れ込み、床上浸水になったケースもあります。水害を受けた住宅は、泥の除去・乾燥・消毒・断熱材の交換・壁材の張り替えなどが必要となり、復旧までに数週間から数ヵ月を要することも。この住人はしばらく自宅に住めず、近くのマンスリーマンションで仮住まいを余儀なくされました。

こうした現実をふまえると、「災害時にどこで暮らすか」をあらかじめ考えておくことは、非常に重要な備えといえるでしょう。

水害・災害時における従来の一時的な住まいの選択肢と課題点

災害によって自宅に住めなくなった場合、一時的な住まいとして多くの人が思い浮かべるのは、避難所やホテル、親戚・知人宅ではないでしょうか。これらはそれぞれに利点がある一方で、長期間の滞在には向かない課題もあります。以下では、それぞれの選択肢と実際に起こりやすい問題点を整理しましょう。

避難所

災害発生直後、最も身近な避難先となるのが学校の体育館や公民館などの避難所です。無料で利用でき、食事や生活物資の支援を受けられる点は大きなメリットです。

しかし、プライバシーの確保が難しく、大勢での共同生活によるストレスは避けられません。仕切りは段ボールや簡易的なパーテーションのみなので、就寝時の物音・話し声・いびきなども筒抜け状態。入浴は週に数回程度に制限され、洗濯も自由にできません。また、ペットの同伴が難しい施設も多く、生活面での制約が多い実情があります。

関連記事:ペットと泊まれる宿の種類は?宿以外の選択肢もご紹介!

ホテル

プライバシーが確保されて快適な環境で過ごせるホテルは、避難所と比べて生活の質が向上します。清潔な浴室やベッドがあり、精神的・身体的な疲労回復にも適しています。

ただし、最大の課題は経済的負担です。1泊1万円程度のビジネスホテルでも、1ヵ月滞在すれば30万円以上の出費となります。家族利用ならそれ以上の費用を負担しなければいけません。ただでさえ住まいの修復にコストがかかるのに、仮住まいの臨時出費が重なると経済面はもちろん、精神的にもストレスがかかります。

また、ホテルでは自炊ができないため3食すべて外食となり、食費も大幅に増加します。洗濯も有料サービスの利用かコインランドリーを探す必要があり、日常生活の不便さは避けられません。短期的な滞在には便利ですが、長期的な一時避難先としては現実的ではないといえるでしょう。

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親戚・知人の家

親戚や知人の家へ避難するメリットは経済的負担が少なく、安心できる環境で過ごせることです。家族のような温かいサポートを受けられることも心強いもの。

とはいえ、家族構成・生活リズムの違い・家事の分担・光熱費の負担など、どんなに親しい間柄でも長期的な滞在だと気を遣う場面が多いもの。子どもがいる場合は騒音への配慮も欠かせません。

また、受け入れる側の負担も大きく、関係性の悪化を恐れて本音を言えずにストレスを生じることもあるでしょう。「いつまで滞在するのか」という見通しが立たない中での同居は、双方にとって大きなプレッシャーになる可能性があります。

水害・災害時の避難先として、マンスリーマンションが頼れる理由

従来の避難先に課題がある中で、水害や災害時の新たな一時的住まいとして注目されているのがマンスリーマンションです。マンスリーマンションが避難先として頼りになる5つの理由をご紹介しましょう。

すぐに生活をはじめられる

マンスリーマンションの最大の魅力は、家具・家電・生活必需品など暮らしに必要な設備が備え付けられていることです。突然住居に住めなくなって混乱した状況でも、ものを揃える必要がないのは大きな安心材料になります。着の身着のままで避難しても、最低限の着替えや持ち物さえあれば、入居したその日から日常生活をはじめられるのです。

また、電気・ガス・水道などのライフラインも開通済みで、多くの物件はインターネット環境が整備されているのも特徴。災害によって生活が中断するのを最小限におさえられます。

関連記事:家具付き賃貸とはどんな物件?メリット・デメリット・気をつけるべき点を徹底解説!

1ヵ月以上ならホテルよりも安く、柔軟な契約ができる

マンスリーマンションの料金体系は、長期滞在になるほどホテルよりも経済的です。例えば1ヵ月10万円程度の物件の場合、1日あたりは約3,300円。ビジネスホテルの半額以下で済むこともあるのです。自炊により食費を大幅に節約でき、コインランドリー料金もかかりません。

また、マンスリーマンションは最低30日以上から借りられて、日割り契約も可能。住宅の修理や再入居の見通しに合わせた滞在ができます。避難生活の見通しが立ちにくい不安定な状況でも、必要な期間だけ利用できる安心感は大きいでしょう。

関連記事:マンスリーマンションの費用と安く借りるコツ|”格安”の注意点とは

プライバシーが確保でき、日常生活を維持しやすい

個室空間が確保されたマンスリーマンションなら、他人と生活空間を共有する必要がなく、自宅に近い感覚で過ごせます。特に子どもがいるご家庭の場合、泣き声や走り回る音を過度に心配する必要はありません。また、避難所では難しい在宅勤務やオンライン授業などにも対応しやすく、心身の負担も軽減できます。普段通りの生活リズムを保てて、被災によるストレスを最小限におさえられるのはマンスリーマンションならではといえるでしょう。

物件数が豊富にある

画像:アットイン保有の東京都近郊物件

全国の主要都市を中心に、マンスリーマンションの物件は年々増加しています。都市部では駅から徒歩圏内の物件も多く、被災前の生活圏に近い場所で住まいを見つけやすいのが特徴です。

また、間取りは一人暮らし向けのワンルームから、家族向けの2LDK・3LDKまで幅広く揃っており、ペット可の物件もあります。物件の選択肢の多さは、被災者にとって大きな安心材料となります。

すぐにWebで契約できる

マンスリーマンションの物件の多くは、空室検索から契約、入居手続きまでWebで完結します。災害時のような混乱した状況でも、スマートフォンがあればホテルを予約するような感覚で契約可能。物件によっては即日入居できる部屋もあるため、避難所やホテルを転々とする必要もありません。時間と手間をかけずに住まいを確保できる利便性は、被災者にとって心強い味方です。

いざというときに備えて、災害時の住まいの選択肢を知っておこう!

災害はいつ、どこで起こるか予測できません。近年の気候変動により水害リスクは全国どこでも高まっています。だからこそ、「もしもの時の住まい」について考えておくことが大切です。

お住まいの地域にあるマンスリーマンションの場所や運営会社を事前に調べて、連絡先をスマートフォンに登録しておくだけでも、いざという時の行動は変わるもの。家族構成に合った間取り・ペット可物件の有無・職場や学校へのアクセスなども併せて確認しておくと、万全な備えになります。

関連記事:マンスリーマンション利用時の注意点|物件を選ぶ際のポイント4つも

防災グッズの準備と同じように「災害時の住まいの選択肢」を知っておくことも、防災対策の一つ。ぜひ、万が一の住まいの備えも、今のうちから考えてみてはいかがでしょうか。