2026/05/13

外国人社員の住まい手配ガイド|人事・総務担当者が知るべき選択肢と注意点を徹底解説

外国人社員の住まい手配ガイド|人事・総務担当者が知るべき選択肢と注意点を徹底解説

外国人社員の受け入れが増える中、「住まいの手配」に頭を悩ませている人事・総務担当者は多いのではないでしょうか。外国人が日本で賃貸契約を結ぶハードルは高いもの。人事・総務担当者が物件の確保や必要書類の準備には、想像以上に作業負担がかかります。

本記事では、企業が外国人社員の住まいを手配する際に直面しやすい課題を整理し、契約パターンごとの選択肢や実務上の注意点を解説します。また、来日直後の住まい有効なマンスリーマンションの活用法も紹介。住まいの手配の全体像をつかむガイドとして役立ててください。

外国人社員の住まい手配で企業が直面する3つの課題

外国人社員の住まいの手配は、日本人社員の場合とは異なるハードルがあります。まずは、多くの企業が共通して直面する3つの課題を整理しましょう。

外国人が賃貸契約するハードルが高い

外国人が日本で賃貸物件を借りる際、入居審査で断られるケースは少なくありません。日本語でのやり取りが難しい、国内の信用情報がない(職業や金銭面など)、連帯保証人を用意できない、そもそも外国人の入居を受け付けていないなど、理由はさまざまです。その結果、物件の選択肢が大幅に限られ、探す段階から工数がかかりがち。スムーズな入居が妨げられてしまうのです。

来日直後はすぐに住める家がなく、長期の住まい探しも必要になる

来日直後は、在留カードが未発行で一般賃貸の契約に時間を要するケースもあります。そのため、一時的な滞在先を用意しつつ中長期の住まいを並行して探さなければならず、手配が二重化しやすいのが課題。「短期」と「長期」の住まい探しの手配も、担当者を悩ませる要因の一つです。

人事・総務の手配業務が煩雑で、短期間での対応が求められる

一般的な賃貸物件の場合、住まいの手配には、物件探し・内見の調整・契約書類の確認・ライフライン開通手続きなど、多くの工程が発生します。さらに外国人社員の場合は、翻訳や通訳の手配、外国人入居可の物件の選定なども加わります。限られた時間で、通常の採用業務や入社手続きと並行して進めなければならず、担当者一人あたりの負担が大きくなりやすいのが現状です。

外国人社員の住まい手配は「誰が契約するか」で2パターンに分かれる

外国人社員の住まいの手配は、「企業が契約するか」「本人が契約するか」の2つに分かれます。特定技能のように企業に住居確保の義務があるケースや、高度人材のように法的義務がないケースもあり、どちらが一般的かは一概に言えません。多くの企業では両者を段階的に使い分けているのが現状です。そのため、パターンで手配の流れや企業側の負担が異なるので、自社の状況に合った方を選ぶのが肝心。以下では、各特徴と判断のポイントを解説しましょう。

企業が契約して提供するパターン

1つ目は、企業が契約者となり、外国人社員に社宅や寮として提供する方法です。契約手続きを企業側で完結できるため、来日直後でも素早く住居を用意できます。法人契約であれば連帯保証人の問題も発生せず、外国人本人の信用情報に左右されにくい特徴があります。

一方で、契約や管理の責任は企業に集中します。物件の管理や退去時の対応など、運用に作業の負担が発生する点には注意しなければいけません。

外国人社員本人が契約し、企業がサポートするパターン

2つ目は、外国人社員本人が賃貸物件を契約し、企業が手続きをサポートする方法です。サポートには、外国人入居可の不動産会社を紹介する、内見に同行する、連帯保証人の代行サービスを手配するといった支援が挙げられます。この方法だと社員が希望するエリアや条件で物件を選べるため、住環境の満足度は高くなるでしょう。

ただし、外国人の入居審査が通りにくい現実は変わりません。そのため、企業が保証会社の利用を手配したり、不動産会社とのやり取りを支援したりするケースが一般的。サポート体制の整備が、スムーズな契約につながります。

どちらのパターンがよいか判断する基準

どちらの方法にもメリット・デメリットがあります。そのため、自社の体制や受け入れ人数に応じて最適な方法を選ぶのが肝心です。以下の表を参考に判断してください。

比較項目

企業が契約して提供

外国人社員が契約+企業がサポート

契約から入居までのスピード

早い

(法人契約で手続きが進めやすい)

時間がかかる

(審査・物件探しに時間を要する)

担当者の業務負担

契約手続き・物件管理の負担あり

物件探しのサポート・保証人手配などの負担あり

連帯保証人の問題

発生しない

(法人契約のため)

保証人代行サービスの手配が必要な場合あり

社員の自由度

物件が限定される

希望に合わせて選べる

向いているケース

・受け入れ人数が多い

・早期入居が必要である

・短期〜中期滞在の場合

・個別対応の場合

・長期滞在が前提

上記の表から、短期的な受け入れや人数が多い場合は「企業契約」が適しています。一方、1年以上の長期滞在が前提、もしくは個別対応を必要とする場合は「本人契約」が向いています。また、状況によっては両者を組み合わせるのも効果的でしょう。

来日直後はマンスリーマンションが最適である4つの理由

前章で紹介した2つのパターンのうち、特に来日直後の住まい確保においてはマンスリーマンションの活用が有力な選択肢となります。その理由を4点解説しましょう。

保証人不要・審査が柔軟で手配しやすい

マンスリーマンションは一般の賃貸とは異なり、連帯保証人が不要である物件がほとんどです。入居審査も柔軟で、在留カードの発行前でも法人契約で申し込める物件もあります。賃貸では外国人というだけで審査に通らないケースが多々ありますが、マンスリーマンションならそうしたハードルを回避できるのがメリット。人事・総務担当者にとっても、保証人の手配や審査対策に時間をとられずに済むため、手配業務のスピードが上がります。

家具・家電・インフラが完備され、すぐに生活をはじめられる

マンスリーマンションには、ベッド・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなどの生活に必要な家具家電が備え付けられています。また、インターネット回線も完備され、電気・ガス・水道も開通済み。マンスリーマンションの契約をするだけで、入居したその日から生活をスタートできます。

賃貸の場合は、家具家電の購入・搬入やライフライン開通手続きを別途進める必要があり、入居可能になるまでに数日〜数週間かかるもの。しかし、マンスリーマンションなら来日直後で土地勘のない外国人社員にとっても、企業側で手配を進める担当者にとっても準備の負担を減らせます。

外国人向けのサービスがある運営会社なら、入居後のトラブルにも対応してもらえる

マンスリーマンションの運営会社の中には、多言語対応の問い合わせ窓口や外国人向けの生活サポートを提供している物件もあります。入居後に設備の不具合や近隣トラブルが発生した場合でも運営会社が間に入ってくれるため、人事・総務担当者が対応する必要はありません。マンスリーマンションを選ぶ際は、外国人対応の実績やサポート体制の有無を事前に確認しておくと安心です。

複数拠点での手配や管理がしやすい

全国に物件を展開しているマンスリーマンション運営会社であれば、複数の拠点に外国人社員を配属する場合でも一括で手配と管理が可能です。拠点ごとに異なる不動産会社とやり取りする必要はなく、契約窓口や請求書を一本化できるため経理処理の面で効率化が図れます。この仕組みは、外国人社員の採用が複数名にわたる企業や、プロジェクト単位で各地に人材を配置する企業にとっては大きな利点。もちろん、日本人の社員で異動や転勤が発生した場合でも、同じ方法で柔軟に対応できます。

外国人社員の住まいの手配で人事・総務が押さえるべき注意点

住まいを手配できた後も、実務上注意すべきことがあります。以下では、トラブルを未然に防ぐための4点を解説しましょう。

住民登録と在留資格に関わる住所変更手続き

外国人社員は、入居後14日以内に住所地の市区町村で住民登録しなければいけません。また、転居した際も同様に届出が必要です。届出を怠ると在留資格の更新や変更に影響が出るため、入居日が決まった時点でスケジュールを組みましょう。

宗教・文化・生活習慣への配慮

外国人社員の出身国や信仰によっては、住まいに求める条件が日本人とは異なります。例えば、礼拝のためのスペースや、特定の食材を扱うキッチン環境など。事前に本人へヒアリングし、可能な範囲で配慮すれば入居後のミスマッチを防げます。

また、配慮だけでなく、近隣トラブルを防ぐための生活ルールの共有やゴミ出しの方法の説明も欠かせません。事前に基本的な生活マナーを伝えれば、本人と周囲の双方にとって快適な環境を整えられます。

言語サポート体制

契約書や生活ルールの説明が日本語のみの場合、内容を十分に理解できないまま入居してしまうリスクがあります。国土交通省では「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」を公開しており、14カ国語の契約書見本やチェックシートが用意されています。このような公的な資料を活用するほか、社内に通訳できる社員がいない場合は外部の通訳サービスの手配も検討しましょう。入居時だけでなく、退去時の説明まで含めて言語のサポートを整えておくと安心です。

解約時のトラブル防止策

外国人社員の退去時に起きやすいのが、原状回復費用をめぐるトラブルです。日本の賃貸契約では退去時に部屋を入居時と同じ状態に戻す義務がありますが、この習慣がない国も多くあります。そのため、入居時の段階で、解約条件や費用負担について丁寧に説明しておくことが重要です。

また、私物を残したり無断で転貸したりなどの問題を防ぐために、禁止事項を書面で明示するのも有効です。特に、法人契約の場合は企業側の責任範囲を明確にしておきましょう。

人事・総務の負担を減らし、外国人社員の定着につながる住まいの手配を

外国人社員の住まいの手配は、入居審査の壁や来日直後の住居確保、手配業務の煩雑さなど人事・総務担当者にとって負担がかかる業務です。だからこそ、手配の判断や住居の選択肢を整理し、自社に合った方法を選ぶことが重要。

特に来日直後の住まいは、保証人不要で家具家電がそろったマンスリーマンションを活用すれば、担当者は作業の負担をおさえながらスムーズに住居を手配できます。一方で、外国人社員の満足度も高められ、定着率向上にもつながるかもしれません。無理のない運用体制を整え、双方にとって納得感のある住まいの手配を実現しましょう。

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