2025/12/01

単身赴任で住民票を移すべき?判断基準と移さないメリット・デメリットを徹底解説

単身赴任で住民票を移すべき?判断基準と移さないメリット・デメリットを徹底解説

単身赴任が決まったとき、多くの方が「住民票を移すべきかどうか」と悩むもの。赴任先での生活期間が限られていたり、家族が本宅に残ったりする場合、「わざわざ住民票を移す必要はあるの?」と感じる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、住民票を移す・移さないの判断基準や、移さないメリット・デメリットを徹底解説します。ご自身の状況に合わせた最適な選択をしたい方、赴任先での新生活をスムーズに始めたい方は参考にしてください。

単身赴任で住民票を移す・移さないの判断基準

単身赴任における住民票の扱いは、法律上の原則と実際の判断の間でグレーゾーンがあります。まずは住民票の基本的な役割と法律上のルールを理解したうえで、ご自身の状況に合わせて判断することが大切です。ここでは、住民票を移すべきか否かを判断するための基準を解説しましょう。

住民票の原則と役割

住民票は、住民基本台帳法に基づいて「生活の本拠地」を記録するものです。法律では、新しい住所に移ってから14日以内に転入届を提出することが義務付けられており、違反すると5万円以下の罰則を科される可能性があります(住民基本台帳法第22条、第52条より)。

ただし、総務省の定義による「生活の本拠地」とは単に寝泊まりする場所ではなく、生活の中心となる場所を指します。単身赴任の場合、週末は必ず家族のもとに帰る、赴任期間が1年未満といったケースでは、本宅が「生活の本拠地」と判断されることもあるのです。つまり実際には、赴任期間が1年以上になるか否かが一つの目安とされています。

住民票を移す方がよいケース

上記により、以下のような状況に当てはまるケースは住民票を移すことをおすすめします。

  • ・赴任期間が明確に1年以上と決まっている
  • ・家族が後から赴任先に合流する予定がある
  • ・赴任先で運転免許の更新時期を迎える予定がある
  • ・赴任先で医療・福祉・保育などの行政サービスを利用する予定がある
  • ・会社の規定で住民票の移動が必須とされている
  • ・赴任先の地域で選挙権を行使したい

このような場合は、早めに転出・転入届を出しましょう。

住民票を移さない方がよいケース

一方、以下のような状況に当てはまる方は、住民票を移さない選択も検討できます。

  • ・赴任期間が半年~1年未満である
  • ・毎週末や隔週で必ず本宅に帰る予定がある
  • ・家族が本宅に残り、生活の中心が変わらない
  • ・子どもの学区を変えたくない
  • ・各種手続き(銀行、保険、クレジットカードなど)をそのまま継続したい
  • ・マンスリーマンションや社宅など、一時滞在施設を利用する

単身赴任で住民票を移さないデメリット

単身赴任では多くの人が住民票を移さずに生活していますが、いくつかの不便や注意点があることも事実です。ここからは、移さないことで実際にどのような影響が出るのか、行政手続きや生活面で起こりうるデメリットを解説しましょう。

行政サービスが制限される

住民票を移さないと、赴任先の自治体で印鑑証明書や住民票の写しを取得できません。マイナンバーカード関連の手続きも住民票所在地でしか対応できないため、必要な手続きのたびに実家に帰る必要があるのです。また、自治体によっては図書館カードやスポーツ施設の利用など、地域住民向けのサービスも受けられない場合があります。

赴任先で投票できない

選挙権は、住民票がある自治体に紐づいています。移さない場合は、選挙のたびに本宅に帰って投票するか、不在者投票の手続きをするかの2択です。不在者投票は事前に請求書を郵送する手間がかかるため、選挙のたびに負担を感じるかもしれません。

運転免許証の更新が手間になる

運転免許証は住民票がある都道府県の公安委員会で管理されています。住民票を移していない状態で更新時期を迎えた場合は、本宅に変えるか、赴任先で特例の手続きをしなければなりません。特例手続きには住民票の写しなどの書類が必要で、通常の更新よりも手間がかかります。

住民税は本宅の自治体に納めることになる

住民税は本宅のある自治体に納めることになると、例えば、ふるさと納税を利用する際に不便が生じる可能性があります。控除証明書や税額決定通知書は住民票所在地に届くため、赴任先で確認できません。また、返礼品の受け取りは赴任先に指定しても、稀に本宅に届くこともあるのです。ワンストップ特例制度を利用してふるさと納税を活用したい方にとっては、書類や返礼品を本宅から転送する手間がかかるかもしれません。

1年以上になると法律違反になる可能性もある

前述したとおり、赴任期間が1年以上になると、住民票を移していない状態が住民基本台帳法違反とみなされる可能性があります。法律では転入から14日以内の届出が義務付けられており、違反すると5万円以下の過料が科されることも。実際に過料が適用されるケースは稀ですが、リスクとして認識しておく必要はあります。

単身赴任で住民票を移さないメリット

住民票を移さない選択には、家族の生活環境を守れたり手続きの手間を省けたりするメリットがあります。以下で詳細を詳しく解説しましょう。

本宅を変えなくてよい

住民票を移さなければ、家族の生活環境が維持できます。子どもの学区が変わらず、保育園や学校もそのまま通い続けられます。児童手当や医療費助成などの子育て支援も継続して受けられるため、家族に負担をかけることがありません。生活の基盤を動かさずに済む点は大きなメリットといえるでしょう。

各種手続き(銀行・免許・保険など)の住所変更が不要である

銀行口座・クレジットカード・生命保険・自動車保険など、住民票を移さなければあらゆる契約の住所変更手続きが不要になります。特に複数の金融機関と取引がある方や、保険契約が多い方にとっては手間が削減でき、本宅に戻る際の手続きも必要ありません。短期赴任や頻繁に転勤する人にとっては、事務的な負担を軽減できます。

転出・転入の届け出が不要で、赴任時の手間もかからない

住民票を移さずに赴任すれば役所へ出向く必要はありません。赴任前後の多忙な時期に手続きに時間をとられないのは、大きなメリット。特に赴任期間が1年未満の場合や、期間が未確定の場合は、最初から住民票を動かさない方が効率的といえるでしょう。

単身赴任で住民票を移す際に必要なもの

住民票を移すと決めた場合は、転出届と転入届の2つの手続きが必要です。スムーズに手続きを進めるために以下の表を参考にして準備しておきましょう。

転出届

転入届

手続き場所

現在住んでいる市町村の役所

新しい住所の市町村の役所

必要な物

  • ・本人確認書類(運転免許書やマイナンバーカードなど)
  • ・印鑑
  • ・委任状(代理人が行う場合)
  • ・転出証明書
  • ・本人確認書類(運転免許書やマイナンバーカードなど)
  • ・印鑑

備考

★引っ越しの14日前から当日まで

★転出証明書を受け取る

(転入届時に必要なため)

★引っ越し後14日以内に手続きする

マンスリーマンションなら住民票を移さなくてもOK!単身赴任に最適な住まい

単身赴任が半年から1年未満の場合は、住民票を移さずに暮らせるマンスリーマンションが便利です。賃貸契約のように住民票の提出が不要で、生活の本拠地を本宅に置いたまま快適に暮らせます。ここからは、マンスリーマンションが単身赴任に最適な理由を解説しましょう。

家具・家電付きで、赴任初日からすぐ生活できる

マンスリーマンションは、ベッド・テーブル・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなど生活に必要な家具や家電がすべて揃っています。赴任初日からすぐに生活をスタートできるため、家具を購入したり運んだりする手間がかかりません。また、赴任期間が終わった際も家具の処分や引っ越しの手間が最小限で済みます。一時的な住まいだからこそ、身軽に暮らせる点がメリットです。

敷金・礼金が不要で光熱費は定額制である

一般的な賃貸物件とは違い、マンスリーマンションは敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用は不要です。光熱費は定額制または家賃に含まれている物件が多く、毎月の支出が予測しやすいのも魅力。また、インターネット回線も完備されている物件が多いため、個別契約は不要です。初期費用をおさえつつ、管理しやすい料金体系により安心して暮らせます。

更新や退去が簡単で、短期赴任でも時間の無駄がない

マンスリーマンションは30日以上からなら日数単位で契約できるため、短期の赴任にも柔軟に対応できます。一般的な賃貸物件のように2年契約の縛りがなく、必要な期間だけ借りられるので時間とコストの無駄がありません。

赴任期間が未確定でも対応できる柔軟性がある

単身赴任では、当初の予定よりも赴任期間が延びたり短くなったりすることは珍しくありません。マンスリーマンションなら、そのような期間の変動にも柔軟に対応できます。契約期間を延長したい場合、空室状況によっては同じ部屋でそのまま継続できることが多く、引っ越しの手間がかかりません。早期に赴任が終了した場合でも、条件次第では返金対応してくれるマンスリーマンション運営会社もあります。生活の本拠地は本宅のまま「一時滞在先の住居」として暮らせるため、赴任先で快適に過ごせる理想的な住まいなのです。

参考記事:マンスリーマンションとは?選ばれる理由や借りる際の注意点を解説!

参考記事:マンスリーマンションにずっと住むことはできる?長期滞在時の費用や注意点

単身赴任の住民票は「期間」と「生活の状況」で判断しよう

単身赴任における住民票の移動は、法律上では「1年以上なら移すべき」が原則です。しかし、実際には赴任期間・家族の状況・帰省頻度などによって柔軟な判断が可能といえます。大切なのは、ご自身の生活スタイルに合わせて後でトラブルにならない選択をすること。赴任期間が1年以上で赴任先での生活が中心になるなら移す、週末は必ず帰宅するなら移さないという判断が基本です。

もし住民票を移さずに快適な単身赴任生活を送りたいとお考えの方は、マンスリーマンションも検討してはいかがでしょうか。家族の生活環境を守りながら赴任先でも快適に暮らせる住まいとして、多くのビジネスパーソンに選ばれています。

参考記事:単身赴任にはマンスリーマンションがおすすめ!選ぶポイントも解説