2024/08/23
宿泊施設の種類を徹底解説!あなたのニーズに適した宿泊先選びのポイントも教えます
旅行の醍醐味は旅先での体験だけでなく、宿泊先での過ごし方にもあります。とはいえ、宿泊施設の種類は多種多様であり、選択に迷う方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、旅館業法(※)に基づいて認められている宿泊施設の紹介とニーズに適した宿泊施設を選ぶポイントを解説します。また、1ヶ月以上の長期滞在であれば、別の選択肢があることも明記しています。宿泊先を悩んでいる方や選び方が分からない方は、参考にしてください。
※旅館業法:施設を設け、宿泊料を受けて人を宿泊させている営業のものを指す
Contents
宿泊施設①|ホテル
ホテルは、主に洋式の設備とサービスを提供する宿泊形態です。個室の宿泊が基本であり、プライバシーを保てるのが特徴。また、立地や提供するサービスの質により数種類のタイプに分類されており、利用の目的や予算に応じて選択できるのも魅力の一つです。以下ではホテルの一般的な4つのタイプを解説します。
シティホテル
シティホテルとは都市部の中心地に位置し、高級感と快適さを兼ね備えた宿泊施設です。上質なインテリアに囲まれた豪華な客室や、セキュリティを完備したラグジュアリーフロアなど、空間のデザインは多種多様。また、レストラン・バー・スパなどの施設や結婚式ホールを兼ね備えている場合もあり、ビジネスや観光に限らず特別な日にも利用されます。
【メリット】
- ・充実したサービスと設備が整っている
- ・比較的立地がよい
- ・ビジネスや観光以外にも利用できる
【デメリット】
- ・宿泊費が高い傾向である
- ・混雑時や繁忙期は騒がしい可能性がある
【シティホテルはこんな人にオススメ】
- ・快適さと利便性を重視している人
- ・結婚式など特別な日を祝いたい人
- ・高級な雰囲気を楽しみたい人
ビジネスホテル
ビジネスホテルは、主にビジネスパーソンの利用を目的とした実用的な宿泊施設です。客室はシンプルでコンパクトな内装であり、デスクやWi-Fiを含めたビジネス向けの設備が整っています。また、朝食サービスを提供するホテルも多く、効率的かつ必要最低限のサービスの提供が特徴です。
【メリット】
- ・リーズナブルな価格である
- ・ビジネスに必要な設備やサービスが充実している
- ・駅や繁華街の近くにあり、アクセスと立地がよい
【デメリット】
- ・客室は狭い傾向である
- ・高級感や華やかさは期待しにくい
【ビジネスホテルはこんな人にオススメ】
- ・宿泊を伴うビジネスパーソン
- ・短期滞在する予定の人
- ・寝るだけでOKなど、シンプルな宿泊を好む人
リゾートホテル
リゾートホテルとは、美しい自然や観光地に隣接していることが多く、非日常を体験できるホテルです。プール・スパ・ゴルフコース・テニスコートを含めたレジャー施設の併設や、地域色を活かした体験やアクティビティを提供しているホテルもあります。1週間前後の長期滞在を想定した設備とサービスにより、ホテル内で充実した時間を過ごせるのが特徴です。
【メリット】
- ・一箇所に滞在しながらさまざまな体験ができる
- ・ホテル内ですべて完結するため、旅程の計画が立てやすい
【デメリット】
- ・高価格帯である
- ・繁忙期は混雑し、静かに過ごせない場合がある
- ・都市部から離れている場合は、アクセスに時間を要することもある
【リゾートホテルはこんな人にオススメ】
- 長期休暇を満喫したい人
- 自然や景観を重視する人
- 非日常的な体験を求める人
カプセルホテル
カプセルホテルとは、個人用の小さな睡眠空間に一人用のベッドと最小限の設備(テレビ・照明・コンセントなど)が備わった宿泊形態です。最大の魅力は、コストをおさえてプライバシーを確保できること。共用のシャワールームやロッカールームを備えており、短期滞在や緊急時の宿泊にも利用できます。
【メリット】
- ・非常にリーズナブルな価格である
- ・必要最小限のプライベート空間が確保できる
- ・深夜や急な宿泊にも対応しやすい
【デメリット】
- ・狭小空間なので長期滞在には不向きである
- ・荷物の保管スペースが限られる
- ・音漏れなどのプライバシーは完全ではない
- ・共用設備の利用に抵抗がある人には不向きである
【カプセルホテルはこんな人にオススメ】
- ・一人旅の予算をおさえたい人
- ・短期滞在や緊急時の宿泊を求めている人
- ・寝るだけの場所を探している人
宿泊施設②|旅館
旅館とは、和風の建築と設備を兼ね備えた日本の伝統的な宿泊施設です。露天風呂や会席料理の提供など、日本のおもてなしを体験できるのが特徴。多くの旅館は温泉地や観光地に位置しており、その土地の文化や自然を楽しめるのが魅力です。
【メリット】
- ・日本の文化を体感できる
- ・地元の食材を使った料理を楽しめる
- ・和室により腰や膝への負担が軽減される
- ・静かで落ち着いた雰囲気により、リラックスできる
【デメリット】
- ・客室が少ない旅館は比較的高価格である
- ・チェックインやチェックアウトの時間が固定的な旅館もある
- ・海外からの旅行者にとっては、言語の壁や和式の設備に不便を感じる可能性がある
【旅館はこんな人にオススメ】
- ・日本の文化や温泉を楽しみたい人
- ・落ち着いた雰囲気でゆっくり過ごしたい人
- ・特別な記念日や祝い事で利用したい人
- ・日本の伝統的なおもてなしを体験したい人
宿泊施設③|民宿
民宿は、個人や家族が経営する小規模な宿泊施設です。一般的に民家を改装して運営されており、家庭的な雰囲気と地域に密着したサービスが特徴。客室の設備はシンプルですが、地元の人との交流や、その土地ならではの体験ができる点が魅力です。主に自然豊かな観光地・農村・漁村にあり、地域の生活や文化を身近に感じられます。
【メリット】
- ・旅館よりもリーズナブルな価格で宿泊できる
- ・現地の情報を得やすい
- ・地域色がある体験(農業体験、漁業体験など)ができる場合が多い
【デメリット】
- ・トイレや洗面台は他の客と共有の場合がある
- ・予約や支払いシステムが整っていないこともある
- ・他言語の対応が限られている可能性がある
【民宿ははこんな人にオススメ】
- ・ローカルな体験を求める人
- ・アットホームな雰囲気を好む人
- ・自然を楽しみたいアウトドア派の人
宿泊施設④|コテージ
コテージとは、自然豊かな場所に建てられた独立型の宿泊施設です。キッチン・居間・寝室などを備えている一軒家タイプが多く、まるで別荘のような滞在を楽しめるのが魅力。BBQ設備や温泉施設が併設されている場合もあり、自然の中でありながらプライベートな空間で過ごせます。多人数での利用に適しており、長期滞在にも対応しています。
【メリット】
- ・自炊可能なため、食費をおさえられる
- ・長期滞在時も自宅のようにくつろげる
- ・プライバシーが確保され、他の宿泊者を気にせず過ごせる
【デメリット】
- ・一人や少人数での利用時はコストが高くなる
- ・繁忙期は予約が取りにくい場合がある
- ・都市部から離れている傾向なので、交通の便が悪い場合がある
【コテージははこんな人にオススメ】
- ・家族連れやグループで旅行を楽しみたい人
- ・自然の中で長期間ゆっくり過ごしたい人
- ・キャンプには抵抗があるけど、アウトドアに興味がある人
宿泊施設⑤|ゲストハウス
ゲストハウスとは主に若者や旅好きな人々向けであり、カジュアルかつリーズナブルな宿泊施設です。国内外の旅行者が集まり、交流を楽しめるのが魅力。客室はドミトリー(相部屋形式)が一般的であり、キッチンやリビングスペースは他の客と共用なのが特徴です。
【メリット】
- ・宿泊料金は、上記4つの宿泊施設の中で最も安い
- ・他の旅行者との交流でき、新しい情報や友人が得られる
- ・食費を抑えられる
【デメリット】
- ・プライバシーが限られる
- ・他の宿泊者の騒音や生活音が気になる可能性がある
- ・セキュリティ面で不安を感じることもある
【ゲストハウスはこんな人にオススメ】
- ・宿泊費の予算をおさえたい人
- ・他の旅行者との交流を楽しみたい人
- ・一人旅で寂しさを感じたくない人
ニーズに適した宿泊施設を選ぶ5つのポイント
旅行の満足度は、宿泊施設選びにあるといっても過言ではありません。ここからは、数ある宿泊施設からニーズに適した宿泊先を選ぶポイントを5つ解説します。宿泊施設を決める際に活用すれば、快適かつ心に残る旅になるでしょう。
滞在の目的
滞在の目的により、宿泊先に求める設備・サービス・立地などは異なります。例えば、観光が目的であっても「寝泊まりのみ」であれば、ビジネスホテル・カプセルホテル・ゲストハウスが適しています。
一方、「体験したい」「リラックスしたい」という目的であれば、シティホテル・旅館・コテージであれば満足した時間を過ごせるでしょう。滞在目的や過ごし方を明確にすればスムーズに宿泊先が決まり、より満足できる滞在につながります。
宿泊費にさける予算
宿泊費は旅行の予算に大きく影響する要素です。目的や過ごし方を考慮し、適切な予算で清潔さ・立地・サービスのバランスが取れた施設を選びましょう。例えば、宿泊先で過ごすのが目的で滞在は2泊3日の場合、旅館なら1泊2万円ですが、シティホテルやリゾートホテルの場合は2〜3倍かかることもあります。「宿泊施設でゆっくり過ごす」といっても、過ごし方や提供されるサービスは多種多様。目的のためにどこまで宿泊費を充てられるかあらかじめ考えましょう。
滞在期間
宿泊施設は、短期滞在向き・長期滞在向けの大きく2つに分かれます。例えば、ホテルや旅館は食事や清掃サービスも充実しているため短期滞在向け。
一方、長期滞在に適しているのは、生活に必要な最低限の設備が整っているコテージやゲストハウスです。滞在期間が長い場合は、滞在の目的と予算を絡めて慎重に選びましょう。
立地・アクセスのよさ
宿泊施設の立地とアクセスのよさは、滞在の快適さと時間の節約に直結します。ビジネス目的なら駅やオフィス街へのアクセスがよい場所を。観光目的なら主要観光地・駅からの距離・公共交通機関の利便性を考慮しましょう。ただし、自然を楽しむ目的であれば、少しアクセスが悪くても景観のよさを重視するのがおすすめです。滞在の目的に合わせて、移動時間や交通機関を総合的に判断して決めましょう。
口コミやレビュー
実際に宿泊した人の声として貴重な情報源である、口コミやレビュー。清潔さ・スタッフの対応・食事に関して・騒音の有無など、公式情報だけでは分からない詳細な情報は見逃せない要素です。ただし、口コミやレビューは個人の強い主観や投稿の日時が古い可能性もあります。総合的に判断する場合は、「複数の口コミを比較検討する」「最新の情報を参考にする」ことを心得ましょう。
宿泊施設の料金は高騰傾向?
近年、全国的に宿泊施設の料金は高騰しています。例えば、高級ホテルのパレス東京は2023年3〜4月の平均客単価が10万円を超え、2024年も変わらず10万円前後を推移しています。
(※1)また、都内のビジネスホテルもその余波を受けており、コロナ禍前の2019年は9,677円に対し、2023年7-9月期は平均1万3,212円に。その背景には、人材不足・インバウンド観光客の急増・客単価を重視した経営戦略が考えられ、高止まりの目処は立っていない状況です。特に、長期滞在を予定している方は宿泊費の負担増加は避けられないでしょう。
そんな中、コストパフォーマンスのよい滞在先として注目されているのがマンスリーマンションです。特に、「長期滞在を予定している」「旅先でも自宅のようにくつろぎたい」「プライバシーを確保したい」という希望する方には最適な選択肢。その魅力を以下でご紹介しましょう。
関連記事:ホテルの高騰はなぜ?今こそマンスリーマンションを検討したいわけ
※1:桜の季節を襲う「ホテル価格高騰」、3つの裏事情 東洋経済ONLINEより
※2:「株式上場するホテル運営会社11社の客単価 2023年7-9月 東京商工リサーチより
1ヶ月以上の宿泊はマンスリーマンションを検討しましょう
マンスリーマンションとは、1ヶ月以上の滞在を目的として契約できるマンションです。以下はマンスリーマンションの主な特徴です。
- ・ホテルと比べて広い居住スペース
- ・生活に必要な家具家電は完備
- ・契約はWebで簡単
上記により、長期滞在の場合はホテルより宿泊費や滞在費をおさえられ、プライベートが保たれた空間を確保できます。ビジネスや観光問わず、「暮らすように旅をしたい」という方には魅力的な選択肢。1ヶ月以上の宿泊先を探している方は、ぜひご検討くださいね。