2025/12/25

介護における付き添いとは?介護保険の適用範囲・サービスの種類・長期化した場合の対処法など徹底解説

介護における付き添いとは?介護保険の適用範囲・サービスの種類・長期化した場合の対処法など徹底解説

介護が始まると、「どこまで付き添う必要があるのか」「介護保険で対応できるのか」「この状態が長く続いたらどうすればいいのか」と、次々に不安が押し寄せる方も多いのではないでしょうか。家族が担う役割は想像以上にあり、気づけば心身の負担が積み重なっていることも少なくありません。

本記事では、介護における付き添いが必要になる具体的な場面・介護保険の適用範囲・保険外サービスの活用方法・付き添いが長期化した場合の考え方まで詳しく解説します。さらに、遠方から通う場合の滞在先の選び方もご紹介。一人で抱え込まず、使える制度やサービスを上手に活用するための参考にしてください。

介護の「付き添い」が必要になる場面とは

介護における付き添いとは、高齢の家族が一人で外出することに不安がある場合に、移動や手続きをサポートすることを指します。どのような場面で付き添いが必要になるのか具体的なケースを紹介しましょう。

通院や検査

病院での通院や検査は、介護の付き添いが必要になる代表的な場面です。定期的な診察・専門医への紹介受診・健康診断や精密検査など、高齢になると医療機関を訪れる機会が増えるもの。受付や診察の流れが複雑な医療機関では、高齢者が一人で対応するのが難しいこともあります。移動中の転倒リスクへの対応、医師からの説明を一緒に聞いて正確に把握すること、薬の処方内容を確認することなど、病院へ付き添う家族の役割は多岐にわたります。

買い物や日常の外出

買い物・銀行の手続き・役所への届け出など、日常生活に欠かせない外出にも付き添いが必要になる場面があります。足腰が弱ってきた、判断力に不安が出てきたといった段階では、本人一人での外出に家族が心配することも。本人の「自分でやりたい」という気持ちを尊重しながら、さりげなくサポートする付き添いが求められます。

冠婚葬祭や特別な行事

葬儀・法事・親戚の結婚式・お墓参りなど、冠婚葬祭や特別な行事への参加にも付き添いが必要になる場合があります。こうした場面では長時間の移動や立ち座りの繰り返し、慣れない場所での行動が伴うため、普段は一人で外出できる方でもサポートが必要になることが少なくありません。体調を見ながら無理のない範囲で参加できるよう、事前の準備や工夫、当日の見守りが重要になります。

介護保険で付き添いサービスは使えるか

介護の付き添いは介護保険で利用できる場合と、対象外となる場合があります。以下で詳しく解説しましょう。

介護保険が適用される付き添いの範囲

介護保険が適用される付き添いは、日常生活の支援として必要と判断された場合に限られます。該当するのは訪問介護の「通院等乗降介助」と「身体介護」です。通院等乗降介助は、ヘルパーが運転する車への乗り降りの介助と、それに伴う移動のサポートを指します。身体介護としての外出介助は、徒歩や公共交通機関での移動に付き添い、必要な身体的サポートです。ただし、いずれも要介護認定を受けていることが前提で、具体的な内容はケアプランに基づいて決まるため、事前にケアマネージャーへ相談する必要があります。

介護保険が適用されないケース

介護保険がカバーできない付き添いで代表的なケースは、病院内での待機や見守り、診察室への同席です。介護保険の外出介助は原則として「移動の支援」が目的であり、病院に到着した後の院内での付き添いは対象外となります。また、趣味や娯楽を目的とした外出や、家族の都合で本人に同行するような場合も適用外です。こうしたケースでは、自費サービスや他の支援手段を検討しなければいけません。

介護保険外で利用できる付き添いサービスの種類

介護保険では対応できない付き添いが必要な場合でも、保険外のサービスを活用すれば家族の負担を軽減できます。ここからは、代表的な付き添いサービスの種類を紹介しましょう。

介護事業所が提供する自費の付き添いサービス

多くの訪問介護事業所では、介護保険サービス以外に自費の付き添いサービスを提供しています。介護保険適用外である病院内での待ち時間の付き添いや、診察室への同席などに対応してもらえるのが特徴です。普段から利用している事業所であれば本人の状態をよく理解したヘルパーに依頼できるため、安心感があります。費用は事業所によって異なりますが、1時間あたり2,000〜4,000円程度が目安です。

民間の付き添い代行・家事代行サービス

近年は、民間企業による付き添い代行や家事代行サービスも増えています。通院の同行・買い物・外出のサポート・留守番の見守りなど、介護保険の枠にとらわれず利用者のニーズに合わせて依頼できるのが強みです。介護資格を持つスタッフが対応するサービスもあり、家族が仕事で付き添えない場合の代替手段として活用されています。

ただし、費用は全額自己負担となるため、利用頻度とコストのバランスを考える必要があります。また、スタッフが介護の専門資格を持っているとは限りません。依頼前に対応可能な内容やスタッフの研修体制を確認しておくことが大切です。

シルバー人材センターやNPOの活用

地域によってはシルバー人材センターやNPO法人が付き添いや見守り支援をしている場合があります。比較的低料金で利用でき、短時間の外出や簡単な付き添いに向いています。また、地域密着型の支援であるため顔なじみの関係が築きやすい点もメリット。一方で、対応できる内容や時間帯に制限があったり、医療行為や専門的な介護には対応できなかったりする場合もあり、役割を限定して利用するのがよいでしょう。

介護の付き添いが長期間になった場合の心得と対処法

介護の付き添いは一時的なものから長期にわたるものまでさまざまです。特に長期化する場合、家族の生活や心身への影響は避けられません。ここからは、付き添いが長期間になりそうな場合に備えて知っておきたい心得と対処法を紹介します。

家族だけで抱え込まない

介護の付き添いは「家族だから当然」と、すべてを一人で背負い込む人が少なくありません。しかし、無理を続ければ心身の疲労が蓄積し、介護者自身の健康を損なう恐れもあります。そのため、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、制度や外部サービスを活用することは必須です。介護は家族だけで完結させるものではなく、周囲の力を借りながら続けるものだと心得ましょう。

早めの情報収集とサービスに慣れておく

付き添いが必要になる段階で慌ててサービスを探すと、希望に合う事業者が見つからなかったり、利用開始までに時間がかかったりすることがあります。本人の状態が安定しているうちに介護保険サービス・自費サービス・地域の支援体制を定期的に調べておくのが理想的。また、本人がサービスに慣れておけばいざというときにスムーズに利用できます。

長期付き添いに伴う生活と働き方を熟考する

付き添いが長期化すると、仕事や自身の生活との両立が難しくなることがあります。介護休業制度や介護休暇制度など、法律で定められた支援制度の活用で離職せずに介護を続けられる可能性があります。介護休業は対象家族1人につき通算93日まで取得でき、3回を上限に分割して取ることも可能。付き添いは「一時的な非常事態」ではなく「生活の一部」としてとらえ、無理のない働き方を検討することが大切です。

付き添い時の宿泊先を検討する

遠方に住む親の介護で頻繁に通う場合や、入院中の付き添いが長期にわたる場合、宿泊先の確保が課題になります。無理な往復や泊まり込みが続くと、体力的にも精神的にも消耗してしまうもの。そのため、付き添い期間が長くなりそうな場合は宿泊先を含めた生活環境の見直しが必要です。安心して休める拠点を確保すれば付き添いを継続しやすくなり、家族自身の健康を守ることにもつながります。

長期間の付き添いにおける滞在先の選択肢

前述したとおり、親が遠方の場合の付き添いでは滞在先の確保が必要です。どこを拠点にして生活するかは介護の付き添いを続けるうえで重要なポイント。ここからは、代表的な滞在先の選択肢とそれぞれの特徴を紹介しましょう。

実家

実家に滞在できる場合は費用面では最も負担が少なく、慣れた環境で過ごせる安心感があります。一方で、親と生活を共にしながら必要なときに付き添い、実家の家事もこなすことで負担が増える場合もあります。親以外の家族(自身の兄弟や姉妹など)がいる場合だと、同居人数が増えることで気疲れしたり、プライバシーが確保しにくくなったりするケースも。他の家族との役割分担を事前に話し合っておくと、滞在中のストレスを軽減できます。

ビジネスホテル

病院の近くにビジネスホテルがあれば、短期間の滞在には便利な選択肢です。予約が取りやすく、急な入院にも対応しやすい点がメリット。清掃やアメニティの補充など、身の回りのことを気にせず付き添いに集中できます。ただし、長期滞在になると宿泊費が高額になりやすい点はデメリットです。外食が中心になり、生活リズムが乱れやすい点も注意しなければいけません。数日から1週間程度の付き添いには向いていますが、長期化する場合は他の滞在先を検討した方がよいでしょう。

マンスリーマンション

付き添いが1カ月以上の長期にわたりそうな場合は、マンスリーマンションが向いています。家具・家電付きで生活をすぐにはじめられ、自炊や洗濯ができるため生活リズムを保ちやすいのが特徴。病院や実家の近くに借りれば移動時間を短縮でき、プライベートを確保できる点も魅力です。

また、契約は最低30日以上からで、それ以降は日割り契約も可能。ビジネスホテルに連泊するよりも費用をおさえられ、先が読みにくい長期の付き添いでは契約面とコスト面で選択肢になります。

参考記事:入院介護にはマンスリーマンションがおすすめ!メリット、デメリットを詳しく解説

介護の付き添いは制度・サービス・住まいの選択肢を組み合わせて、家族以外の力を借りてもいい

介護の付き添いは、家族の献身だけで成り立たせるものではありません。介護保険サービス・自費の付き添い支援・地域のサポートを上手に組み合わせれば負担を軽減でき、無理なく付き添いを続けられます。

付き添いが長期化しそうな場合は、マンスリーマンションなど滞在先の選択肢を視野に入れておくと安心です。安心して休める環境を整えることで、介護する側の心身の余裕が生まれ、結果的により良い付き添いにつながりますよ。