2024/05/31
別居前や別居中にしてはいけないことは何?基礎知識・準備すべきことを徹底解説
「離婚に向けての第一歩として」「夫婦関係が悪化したとき」「関係を修復するための冷却期間として」など、パートナーと別居を検討する理由はさまざまです。しかし、軽々しく行動すると後に大きなトラブルに発展する可能性があります。
本記事では、別居前や別居中に絶対してはいけないことや、知っておくべき基礎知識を解説します。離婚を前提とした別居であってもそうでなくても、これらのポイントを押さえれば後悔せずスムーズに進められます。別居を検討中の方は知るべき内容なので、ぜひ参考にしてください。
Contents
夫婦間には、貞操義務があることを心得る
貞操義務とは、夫婦が婚姻関係を維持する上で、配偶者以外の人と性的関係を持つのを禁止することです。貞操義務には法的な決まりはありません。しかし、民法732条「重婚の禁止」、民法752条「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」ことから、貞操義務があると解釈されています。
つまり、たとえ別居中であっても法的に夫婦関係が継続している以上は、貞操義務があります。貞操義務違反となる行動をすれば離婚の要因となり、慰謝料請求のリスクがあることも心得ましょう。
貞操義務違反にならない場合
夫婦間に貞操義務はありますが、以下の場合は貞操義務違反とみなされません。
- 夫婦関係が完全に破綻していると認められる
- 離婚を前提としている
- 別居期間が長い
ただし、これらの場合でも慎重に行動することが賢明です。特に夫婦関係の修復で別居を検討している場合は節度ある行動を心がけましょう。
別居「前」にしてはいけないこと
別居前に以下5つの行動をとると貞操義務違反になる可能性があります。1つずつ解説しましょう。
一方的に別居する
パートナーの合意なく一方的に別居すると離婚において不利な材料になります。夫婦には互いに協力して扶助する義務があるため、一方的な行動は避けなければいけません。別居に踏み切る前は十分な話し合いを重ね、別居の理由や目的を必ず伝えましょう。
ただし、別居の理由がパートナーのモラハラや暴力であるなら相手の同意は必要ありません。この場合は婚姻関係を継続し難い理由とみなされるため、離婚時に不利益をこうむることはないでしょう。
別居の予告を相手にしない
予告なしの別居は円滑な話し合いを困難にして、関係修復の障壁になる可能性があります。また、パートナーから「悪意がある」とみなされ、離婚訴訟で不利になることも。予告することで自身の法的立場を守ることにもつながります。別居を決断した際は、別居の理由・目的・期間などを明確に伝えて理解を求めましょう。
連絡先や別居先を伝えない
別居先や連絡先を知らせなければ、子どもの問題や財産分与を含めた重要事項の話し合いが難しくなります。また、パートナーに不安や怒りを与えて関係悪化を招く恐れも。円滑なコミュニケーションのためにも、連絡先や別居先は必ず伝えましょう。
DVなどの理由で別居先を伝えることが難しい場合は、第三者を通じての連絡や弁護士への相談を検討してください。
相手の同意なく財産を持ち出さない
相手の同意を得ずに財産を持ち出すと、離婚の際に財産分与で不利になる可能性があります。また、パートナーからの信頼を損ない、離婚協議を難航させる要因にもなります。財産の持ち出しが必要な場合は、事前にパートナーと話し合って合意を得ましょう。
相手の同意なく子どもを連れ出さない
子どもがいる場合、相手の同意なく子どもを連れて出すと親権者や面会交流の決定に不利になる場合があります。また、子どもの精神的な負担も大きくなるでしょう。子どもを連れて別居する際は十分な話し合いをして、子どもの幸せを第一に考えて慎重に行動することが大切です。
別居「中」にしてはいけないこと
別居中の場合でも、以下6つをしてしまうとさまざまな状況で不利になる場合があります。離婚が前提であるなしにかかわらず、以下の行動は避けた方がよいでしょう。
妻や夫以外との性的関係をもつ
前述した通り、別居中であっても配偶者以外の異性と性的関係を持つことは貞操義務違反です。たとえ離婚を前提とした別居であっても法的には夫婦関係が継続しているため、慰謝料請求のリスクがあります。また、不貞行為は親権者の決定や財産分与にも影響を与える要素です。安易な異性関係は、離婚問題をより複雑化させるため注意しましょう。
異性と食事する
別居中の異性との食事は避けた方が賢明です。たとえ友人関係であっても、パートナーから不貞行為を疑われる可能性があります。別居中は異性との接点を最小限に抑え、誤解を招くような行動は控えましょう。
どうしても異性との食事が必要な場合は事前にパートナーに説明して、理解を求めることが大切です。
しつこく連絡する
別居中の過度な連絡は、パートナーに心理的な負担を与えて関係改善の障壁になります。特に、相手が連絡を拒否しているにもかかわらず頻繁に連絡を取ると、ストーカー行為とみなされる恐れも。
連絡は必要最小限にとどめて、パートナーの意思を尊重しましょう。子どもの親権や財産分与など重要な事項については、弁護士を通じてのコミュニケーションを検討するのも一つの方法です。
子どもを強引に連れ戻す
子どもを強引に連れ戻すと、子どもの心身に大きな負担を与えて親子関係にも悪影響を及ぼします。離婚を前提としている場合は、離婚後の監護権や面会交流において不利になる可能性もあります。
子どもを巻き込んだ感情的な行動は、親子の状況を悪化させるだけ。子どもの利益を最優先に考えましょう。
生活費を渡さない
別居中とはいえ、婚姻関係があれば互いに扶養し合い、生活を維持するための費用(婚姻費用)を分担する義務があります。(民法752条)たとえ離婚前提の別居や離婚協議中であっても同様です。
つまり、生活費を分担しなければパートナーや子どもの生活を脅かすだけでなく、離婚において不利な材料にもなるのです。婚姻費用の内訳や支払い方法に関して事前にパートナーと話し合い、合意を求めましょう。
関係改善や離婚の話し合いを拒否する
別居中は、離婚に関する話し合いや関係改善に応じましょう。話し合いを拒否すればパートナーとの関係改善の機会を失います。また、離婚訴訟においては不利な要素となり、離婚問題の解決を遠ざけることも。たとえ離婚を前提とした別居であっても、円滑な話し合いは不可欠と心得ましょう。
別居に向けて準備すべき3つのポイント
別居を決めた後は、今からでも別居の準備を進める必要があります。以下3点は最低限準備すべきことなので、参考にしてください。
生活費の準備と話し合い
別居後の経済的な安定を確保するためには、パートナーと生活費の分担や支払い方法などを話し合いましょう。生活費の分担は、双方の収入・支出・子どもの年齢などを考慮して決めるのが基本です。話し合いが難しい場合は、弁護士や調停委員の助言を求めることも検討しましょう。
別居後の取り決め
別居後の生活を円滑に進めるためには、パートナーと今後の取り決めをしておくのが大切です。例えば、別居期間・離婚の条件・子どもの監護や面会交流・財産の管理・住居など。
双方で建設的な話し合いができない場合は、弁護士など第三者の立ち会いも検討しましょう。取り決めを文書化すればトラブルを防げます。
別居先を確保する
別居先を確保することは、別居の第一歩です。通勤・通学・予算・利便性・プライバシーの確保など、総合的に考慮して最適な別居先を選びましょう。選択肢には、賃貸物件・マンスリーマンション・実家などがあります。
別居先の選択は今後の生活を大きく左右する重要な決定です。新しい生活の基盤を築くためにも慎重に決めましょう。
離婚が前提でもそうでなくても別居前は慎重に
別居は離婚への第一歩であると同時に、夫婦関係を見直す機会でもあります。別居「前」・別居「中」にしてはいけない行動を理解しておけば不利益をこうむらず、今後の関係性をスムーズに決断できる要素になります。離婚が前提でもそうでなくても安易な異性関係や子どもを巻き込んだ感情的な行動は避け、慎重に行動しましょう。
また、別居の理由がモラハラや暴力行為が理由である場合を除き、必ずパートナーと話し合う場を設けて同意を求めることが重要です。
一時的な別居先なら、マンスリーマンションを選択肢に
マンスリーマンションは、別居先の一時的な住まいとしてメリットを感じやすい選択肢の一つです。例えば、賃貸の場合だと初期費用や家具家電の費用がかかり、保証人が必要な物件もあります。
しかし、マンスリーマンションなら以下の特徴によりカバン一つですぐに生活できる環境が整っています。
- 敷金・礼金・仲介手数が不要
- 生活に必要な家具家電を完備
- 最短30日から契約可能
- 契約はWebで簡単
- 保証人が不要
マンスリーマンションは「1年未満に離婚したい」「冷却期間と割り切った別居」など、一時的な住まいには最適です。別居しながら今後の関係性を整える期間を得られるため、ぜひご検討ください。