公開日:2026/09/11

もし、家にサウナがあったら?1ヵ月だけ暮らしてみた

もし、家にサウナがあったら?1ヵ月だけ暮らしてみた

サウナが好き。ただ、実際に行けるのは月に数回。仕事を終えて電車に乗り、混んだ脱衣所を抜けてととのい、また電車に揺られて帰る。その一連を思い浮かべると、「今日はやめておこうか」となりがちです。

しかし、もし住んでいる部屋に最初からサウナがあったら? 行く場所ではなく、家の中にある。それだけで1日の流れは変わるのでしょうか。こればかりは、1泊や2泊では答えが出ません。というわけで、サウナのある部屋で1ヵ月だけ暮らしてみました。

「家にサウナがあったら?」から始まった、1ヵ月間サウナがある暮らし

サウナは好きですが、家にサウナが欲しいと思ったことはありませんでした。サウナは出かけて入るものと決めつけており、家にあるのは一部の人の贅沢という気がしていたからです。それでも、1ヵ月だけならどうなんだろう。その程度の好奇心で、部屋を探してみることにしました。

条件は、「短い期間でも住めること」。毎日入りたいわけではなく、家にサウナがある暮らしを一度味わってみたいだけなので、長く借りる必要はありません。

探してみると、条件にピッタリの部屋が実際にありました。1人で座るのがちょうどいいくらいの、小さなサウナ付きの物件です。持参したのは、スーツケースひとつ分の荷物だけ。こうして、家に帰ればサウナがある1ヵ月が始まりました。

家にサウナがあるだけで、いつもの1日が変わった

サウナのある暮らしを経験して変わったのは、サウナが特別な予定ではなくなったこと。決まった日に出かけるものだったのが、思い立ったときに入れるものになりました。

朝、仕事の前にサウナに入ってみる

まず試したのが、朝サウナ。銭湯やサウナの施設はたいてい昼過ぎから開くので、朝にととのえる経験がなかったからです。

起きてサウナのスイッチを入れ、温まる間にコーヒーを淹れて、10分だけ入る。出てくると頭が冴えて、髪を乾かすころにはもう1日が始まっています。眠気を引きずったまま午前中を過ごすことがなくなり、午前中が少し長くなったような感覚に。朝の贅沢な10分を体験したおかげで、夜ふかしも減りました。「朝に入りたいから早く寝る」という順番に変わったからです。

仕事終わりに、外へ出ず「ととのう」

平日の夜、これまでは「今から行くにはもう遅いな」と諦めていました。着替えて電車に乗り、帰ってくれば日付が変わっている。それなら明日にしよう、と先送りにしてきたのです。

けれど家にあれば、1日を終えて部屋に帰り、扉を開けるだけ。外に出ないので、髪が濡れていても部屋着のままでもおかまいなし。ととのったあとに帰り道がないのは想像以上に楽でした。

予定のない休日でも、サウナがある

何の予定もない土曜日は、これまで少し持て余していました。出かけるほどではないけれど、家にいても手持ち無沙汰。そういう日ほど、夕方になって後悔します。その空白が、サウナで埋まるようになりました。昼過ぎに入り、水風呂の代わりに冷たいシャワーを浴びて、窓を開けて座る。それだけで、何もしていない時間が、何もしなくていい時間に変わります。予定のない日が少しだけ好きになりました。

1ヵ月暮らして気づいた、サウナとのちょうどいい距離感

1ヵ月も暮らしていると、最初は気づかなかったことが見えてきました。「家にサウナがある」という特別感は、日が経つほど薄れてくるもの。そのかわりに、付き合い方が少しずつ変わっていきました。

毎日入らなくても、いつでも入れる安心感がある

1ヵ月も家にサウナがあれば、毎日入るのだろうと思っていました。ところが、2週目から入らない日が出てきたのです。ただ、物足りなさではありません。なぜだろう、と考えて思い当たったのは、「明日なら入れる」という安心感です。

サウナ施設の営業時間や移動時間を気にしなくていい。入りたいときに入れますし、入りたくないときは入らなくてもいい。その自由さが一番ありがたいのだと、入らなかった日に気づきました。

「サウナに行く」から、「暮らしの中にサウナがある」へ

これまでは、「今日はサウナに行く」と予定を立てて出かけていました。ところが、家にサウナがあると感覚が変わります。朝に余裕があれば入る。仕事から帰ってきて気分変えたくなったら入る。休日に時間を持て余したら入ってみる。サウナのために時間をつくるのではなく、日々の生活の中にサウナが自然に入り込むのです。

「サウナに行くための暮らし」ではなく、「暮らしの中にサウナがある」。増えたのはサウナに入った回数ではなく、1日の選択肢でした。

「こんな暮らしありかも」と思ったら、まずは1ヵ月試してみる

この1ヵ月のために私がしたことは、部屋を探して申し込み、荷物を詰めただけ。引越しはしていませんし、家具も家電も、何ひとつ買っていません。

本当に住み替えるとなると、話は変わる

もちろん、サウナのある部屋に本気で住み替える手もあります。ただ、そうなると話は一気に大ごとです。

まず、サウナ付きの物件そのものが多くありません。見つかったとしても、敷金・礼金・仲介手数料に引越し代と、住み始める前にまとまった金額がかかります。そして賃貸の契約は、2年が基本。住んで合わなかったとしても簡単には戻れず、「よさそうだな」という気持ちで踏み切るには少し重すぎます。

実は、マンスリーマンションにもサウナ付きの物件がある

では、なぜ引越しせずに1ヵ月間暮らせたのか。種明かしをすると、今回の部屋はマンスリーマンションでした。

マンスリーマンションは30日以上から借りられて、生活に必要な家具・家電がそろっています。初期費用はかからず、電気・ガス・水道やインターネットも、自分で契約する必要がありません。持参したものがスーツケースひとつ分で足りたのは、そのような理由だったのです。

「1ヵ月だけ」だからこそ、試せる暮らしがある

1ヵ月なら、合わなければ元の部屋に戻るだけ。それでも、「自分に合うか」という問いの答えは出せます。

例えば、毎日は入らない、朝に入ると1日の始まり方が変わる、水風呂はなくても冷たいシャワーで満足できるなど。どれも住んでみるまで想像していませんでした。気に入ればもう1ヵ月延ばせますし、本格的にサウナ付きの部屋を探しはじめてもいい。それを確かめるためにも、1ヵ月はちょうどいい長さでした。

気になる暮らしがあるのなら、まずは1ヵ月だけ試してみるのはあり!

今回、「家にサウナがあったらどんな暮らしになるだろう?」と思いつき、サウナ付きのマンスリーマンションを借りました。ただ、これはサウナだけに限りません。例えば、海の見える部屋、庭のある家、静かな街。気になっているけれど、そのために引越すほどではない暮らしが、きっと誰にでも1つはあるはずです。

想像しているうちはいつまでも想像のままです。1ヵ月だけなら、あなたも確かめてみませんか?

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