2016/03/15
一期一会の出逢い~面接官として~
- みなさん、こんにちは。
総務人事の河村です。
先日、愛知県内のとある大学に、特別講師として模擬面接を行ってきました。
私が参加したのは、10回のうちの9回目。
その日は、「個人面接」がテーマ。
まずは、就活生の学生がひとりずつ「1分間スピーチ」
お題は「最近気になったこと」
教壇に立ち、1分のタイマーをかけスタートです。
このように、「自己PRを1分間でお願いします」と言われることも多いことから、
時間感覚を身につける練習として行います。
ちなみに弊社でも、週2回、朝礼で「1分間スピーチ」を行っています。
(正確に1分というわけではありませんが)
学生の1分間スピーチが終わったら、講師紹介です。
何を話そうかなと思いましたが、アットインの簡単な事業紹介と、受講生がすべて女性だったので私が8歳の子供がいることを伝えました。
そして、いよいよそれぞれの教室に分かれて模擬面接がスタートです。
時間は50分(そのうち10分はフィードバック)
面接会場と化した教室には、学生2人と面接官の私、3人です。
学生1名が面接を受け、もう1名が面接を見学します。
個人面接ですと、このような模擬面接の機会でなければ他の人の面接を聞くことができないので、客観的な立場で人の面接を見学できることは新たな気付きがあるかもしれませんね。
私は面接指導したのは、3名。
50分×3名。
そのうちの一人に視聴覚障害を持った女の子がいました。
まず私は、彼女が座る椅子を私の椅子に近づけ、この距離で聞こえるかどうか確認しました。
彼女は3姉妹・・・。
末っ子の彼女は視聴覚障害、次女は健常者、そして長女は身体障害。
彼女の希望する就職先が一般企業で事務として働くことだったため、おそらく実際の面接で聞かれるであろう厳しい質問もしました。
アルバイト経験の話を聞いた際、彼女はこう私に言いました。
「ようやく私も人の役に立てた」
彼女は、障害者施設で、身体障害や知的障害を持った子供たちのお世話をするアルバイトをしているそうです。
「ようやく・・・」
この言葉、私にはとてもとても重たく感じました。
そのほかの彼女の話からも、人への感謝への言葉や、人の役に立ちたいという強い思いがたくさん詰まっていました。
高校まで聾学校で勉強し、大学で初めて健常者と一緒に学ぶことは、最初はとても苦労したそうです。
授業中、先生の声が聞こえないから授業についていけなくなったり、障害に理解のないグループ内でのグループワーク。
そのたびに彼女はどうしたらうまくいくのか考え、常に前向きに生きてきたのだと思います。
好きな言葉は、「ありがとう」
いつもいろんな人に助けてもらって、「ありがとう」
自分が誰かの役に立って言われる「ありがとう」
私は思わず彼女に聞きました。
「なんで、そんなに人に優しくなれるの?」と。
彼女は少し照れて恥ずかしそうに笑って答えました。
「よく聞かれます(笑)でも自分でもよく分かりません。
きっと両親や自分と同じく障害を持った友達、そして健常者の友達、先生が私を支えてくれるからだと思います。」
模擬面接の最後に、「将来の夢」を聞きました。
「結婚しても子育てと仕事を両立して、定年まで働くこと」
それは母親からの「教え」なのだそうです。
もし離婚しても一人で子供を育てていけるようにという母親の想い。
子供の離婚を望む親はいません。
きっと母親は、自分たちが先立ったことを考え、彼女が強く生きていくための「教え」を彼女に伝えているのでしょう。
私も一人息子をもつ親として、自分がいなくなっても強くやさしく生きていってほしいと願い、だからこそ、時に厳しくする時もあります。
彼女にとっては「働くこと」は憧れなのです。
働く権利、仕事を選ぶ職業選択の自由は、障害者、健常者関係なく、みんな平等です。
障害者雇用促進法の障害者雇用率制度において、現在の法定雇用率は2.0%。
すなわち50名以上の従業員を雇っている企業または従業員数が50名ちょうどの企業であっても、最低でも障害者(精神障害者含む)を1人は雇用しなければならないとなっています。
この規定には、納付金制度もあります。
障害者雇用納付金制度
法定雇用率を下回っている事業主・・・法定雇用障害者数に不足する人数に応じて 納付金を徴収。
法定雇用率を上回っている事業主・・・給付金の支給。
要するに、足りなければお金を徴収されるし、達成すればお金がもらえるというわけです。
ただしこの制度は、従業員数が100人超の規模の企業で、50名~100名までの規模数の企業には現在猶予期間がついています。
また、こんな賞もあることをみなさんご存知でしょうか。
第6回を迎えた今年、厚生労働大臣賞を獲ったのは株式会社エイチ・エス・エーという会社です。
この賞は、人を大切にする経営に取り組んでいる企業や団体の中から特に優秀な企業などを表彰し、模範とすることを目的としています。
この会社は、介護・障害者就労支援・福祉タクシーなどの福祉のトータルサポートを行っている企業で、離職率0.4%と5年連続で従業員が増加している中高い定着率を実現しているそうです。
素晴らしですね!
アットインもいつか必ず・・・
面接をした全ての人との出逢いが私を成長させてくれています。
日々感謝。
その想いを持って、今日も河村は新しい仲間を迎える準備をしています。
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